【読書】子どもの「いや」に困ったとき読む本
大河原美以先生の本を読みました。
イヤイヤ期の2歳くらいの子を想定して書いてありますが、いつからでも実践できることが書いてある。
そして、この先生の本、難しい専門用語を使わず、でも適当に誤魔化す感じの用語を使わず、噛み砕いて表現しているのがすごく良くて、発達段階の脳神経科学&心理学の専門知識を素人にわかりやすく教えてくれます。
何より説教くさくなくていいのw
3歳児神話は根拠のない都市伝説だ、と言われているけど、3歳までの愛着形成が非常に重要なのは都市伝説ではないのです。非常に非常に重要。
神経系システムの勉強してると本当によく理解できるようになりました。
でもうちの子たちはもう3歳過ぎてしまったけど!!!!
しかし、脳は20歳くらいまでかけて、神経システムは25歳くらいまでかけて、じっくり育っていくので、その間には修復しやすいと言う利点があります!!!!ブラボー!
気づいたときから、関係性はつくり直せるってことです。
(それを過ぎた大人は修復しないか?と言うと、最近、そうではないと言うことがわかってきていて、修復時間は子どもよりもかかるけれども修復していける部分もある)
と言うわけで。
この本の副題は、「どうやってしつければいいの?」です。
しつけってなんでしょう?しつけってどう捉えていますか?ってことを丁寧に書いてくれてます。
多くの人が「しつけ」を「叱ること」と誤解しているように思います。しつけとして体罰を行うことを必要なことと考える人もいれば、叱って泣かせることに抵抗があるのでしつけが困難と考えている人もいます。
確実に言えることは、「恐怖」を与えて子どもをコントロールすることは「しつけ」ではないということです。それは「支配」です。子どもを恐怖で支配すればおとなしくなりますが、それは子どもを壊すことでもあります。
「しつけ」とは、子どもが「自律=自ら律する」力をつけることを導くことです。支配は「他律」です。「自律=自ら律する」とは、年齢相応の発達の中で、<おりこう脳>と<いやいや脳>が折り合いをつけることを学ぶことです。
(子どもの「いや」に困ったとき読む本 P88引用)
※おりこう脳は大脳新皮質のことで、いやいや脳は大脳辺縁系+脳幹の働きのことを指しています。詳しくは同書で読むとわかります。
そして、しつけの枠組みを示して、親の迷う判断をサポートしてくれています。
「しつけの枠組み」、つまり「子どもの反応がどうであろうと、親がだめをとうしてよいこと」は、「社会のルール」と「子どもの命と健康を守るための制限」です。
そしてそれに発達段階に即した課題であるかどうかという点が、かけ合わされます。
はじめての子どもの場合は、発達段階がわからないのは当然のことなので、専門家(小児科医や保健師、保育士など)に気軽に相談してみるのがよいそうです。
私が、この本でとても強くつかまれたのは、
どんなに恐怖を与えず、しつけの枠組みの中で根気強く教え、いやいやに共感したとしても、ある一定期間はずっとそのいやいやが続くのは仕方がないことであり、それは「親が覚悟する」ということです。
なんで叱るかって、親の側がその不快な状況に耐えられない。自分が耐えられないから、子どもにそれを押し付けるってことなんだってこと。
親が耐えられないのは、親の側になんらかの古傷があるからで、それは子どもになんとかしてもらうのではなく、親自身が専門家に相談するなりして解決しなくてはならないってこと。
それと、親がいい意味で「あきらめる」ということ。
しつけをしようというときには、親が向き合う覚悟が問われているということ。
子どもの泣きを受けとめる親の身体があって、はじめて子どもは自律の力を育ててもらえる。
というところでした。
自律というのは、自分軸があるってことだと思います。自分軸ってなんだ?というと、他人がどう言おうと、自分はこう思うからやってみよう、という力とも言えるんじゃないかと思っています。
自分の子にそんな力のある子に育ってもらいたいという親としての願いはある。
あと、子育てがつらくなるママ(不安が強い、子供をみると恐怖、不快感情が湧くなど)に向けてのQAもあり、私には納得感ある内容でした。
しつけってなんだろう???って思うことがある方にはオススメです。
乳幼児の親向けではあるけど、小学生の子がいる人にも大事なことが書いてあるなーと思いました。